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新生ヴォルターズ特別企画!寺下太基が語る!開幕直前特大号

 いよいよ9月21日(土)の開幕戦まであと14日
ヴォルターズ各選手の本音に迫ったインタビュー(不定期)!

今回は、寺下太基選手!
ぜひ開幕前に読んでいただきたい内容ですので、通常は複数回に分けるところを「開幕直前特大号」とさせていただきます。


※なお、今回の撮影カメラマンも岐津AGMです。

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※本インタビューは7/18に実施しました。
−今季のチームの印象は?昨季と比べてどう感じてる?

そうですね・・・。
去年のチームは出来上がったチームだったじゃないですか。
言うたら、Bリーグが始まって、3年計画で毎年毎年ビルドアップして、3年間で一番出来上がったチームが去年だったじゃないですか。
それと比べて今年はホンマに一からなんで。
去年の主要なメンバー、主要ていうか、去年コートに常に立ってた選手は中西くらいしかいないので。
そこに新加入選手や若手が入って来て・・・まあフラットですよね。
ヘッドコーチも、熊本ヴォルターズも初やし、日本自体も初やから、選手を見るのもゼロからなんで。

去年までだと、これまでの信頼があったじゃないですか。
この選手とは2年間やっている、3年間やっている。
(古野)拓巳、中西とはもう5年間やってて、信頼の差があったので。
その点、若手・ベテラン・中堅関係なく、ゼロからの状態で始められてるので。
お互いの個性だったり、「こいつはこういうことができるんだ!」とか、選手同士もそうだし、コーチから見ても新しい発見があったり。
やってる僕らもそうだし、多分コーチも新鮮だと思うんすよ。


−新加入選手の印象は?

石川はやんちゃな感じっすね(笑)
でもそのやんちゃな中に、冷静でクレバーな部分があって・・・すごく良いポイントガードだと思います。


−木田選手に寺下選手の印象を聞いた時、「試合でマッチアップして、インサイドでガツガツやられた印象」と言ってた。

それはどうなんやろ(笑)
けど、木田もそうだし、佐藤そうですけど、若いし、失うものもないし、失敗しても別に何もないので、恐れずにアグレッシブにプレーして欲しいですね。
(柿内)輝心もそうやけど。


−昨季の、特に前半は、なかなかプレータイムが貰えない試合も多かった。悩んだり、苦しんだ部分もあった?

そうですね。
前半戦はほぼほぼローテーションに入れてなかったので・・・ホント悩んでたっすね。
これまでのキャリアでも、一番苦しかったシーズンかもしれない。
どうやったら自分をアピールできるんだろうとか、ずっと考えてたけど・・・。
結局まあ、ちょっとポジションが変わったことによって少しずつゲームに出るようになって、貢献もできるようになってきたんですけど。
もうちょっと早くからしたかったな、とは正直思いますね。

僕の今までのスタイルというか、今までのキャリアでは、まあこれは日本人の悪いとこなんやけど、「俺を使ってくれ」だとか「こうやって使ってくれ」だとか、そういうことを言ったことはなかったんで。
自分がプレーを見せて、コーチを納得させて試合に出る、コートに立つってスタイルだったんで、なんかこう、シチュエーションが難しかったというか。


−気持ちは切れなかった?

切れなかったですね。
自分の中で、絶対できる自信があったんで。
コートに立てば絶対に爪痕を残してくるというか、ずっとReadyな状態だったんで、その辺は腐らずにいけたっすね。


−昨季の後半には怪我もあった。厳しいシーズンだったという側面もあるだろうが、それを踏まえて今季の意気込みや決意は?

一番は怪我しないことですね。
(プロバスケ選手として)17年やってきて、大きな怪我は2回目なんですよね。
なので、すごく悔しかったので。
怪我さえなかったらチャンスは自分で掴めると思ってるので、まずはそこですね。
それは運もあるし、アクシデントもあるんですけど。
そういったアクシデントじゃない怪我を防ぐためにも、この時期は頑張りたいというか。
肉離れになったとか、風邪を引いたとか、予防できることはしっかりやって、常にReadyの状態でいることが仕事だと思うので。


−熊本に残留することに迷いはなかった?

そこまでは特にないですね。
ただ、(昨季は)終わり方が自分自身最悪だったんで。
怪我で最後までできなかったんで、それはちょっと悔しいし、熊本に何しに来たんやろってなるから。
最低限、自分の足跡は残したいですね、熊本には。





−これまでのキャリアについても聞かせて欲しい。

大学卒業して1年目が松下電器(※パナソニックトライアンズ)に入ったんすけど、それはもうエリート集団の中にポンと入った感じだったんで、なす術がなかったというか。
何もアピールできず、自分の力も全く見せれず。
なおかつ、精神的にも「この人らには勝てんわ・・・」って感じだったんで・・・そりゃダメですよね。

で、1年でダメになって、それで新潟に行って。
その新潟が、下積み時代というか、選手としても人間としても成長させてもらった。
その時の経験が今でもずっと土台になってるので。
新潟で、廣瀬さん(※廣瀬昌也氏 現青山学院大学HC)、木田の大学の先生なんですけど、その人に出会って変わったというか。


−(廣瀬昌也氏の指導の)何が良かった?

当時は今の木田と一緒ぐらいの年で若かったので。
「何も恐れるな」「ダメだったらおれが責任取るから」って言われて。
「全部アグレッシブに行け」「小さくまとまるな」って。
「いついかなる時も手を抜くな」とも、ずっと言われてたっすね。


−(廣瀬昌也氏に)教わったのは何年?

3年っすね。
その3年がなかったら、今(バスケを)やってへんのちゃうかな
新潟の後の10年も、ずっとそれ(その時に教わったこと)でやってたようなもんやから。
2002年に松下電器に入って、2003年からアルビ(※新潟アルビレックス)。
最初の2年間は新潟アルビのA2(※新潟アルビレックスA2)っていう下部組織です。
栃木(栃木ブレックス)のD-RIZEみたいな感じ。
その2年間は廣瀬さんからは直接教えてもらってはないけど、ちょくちょくトップチームの練習にも行ったりしてて。
本格的に指導を受けたのは2005年のbjリーグ初年度。
(新潟に)行って3年目にトップチーム入りした感じっすね。

新潟で計5年、その後2008年から埼玉(ブロンコス)に4年。
新潟の(トップチーム)3年目で少しプレータイムが減って自由契約になって。
(埼玉ブロンコスに移籍して)そっからは選手としては順風満帆というか、コートには常に立ってる感じだったんですけど。


−プロバスケ選手になろうと思ったのはいつぐらい?

僕はもう本当に遅咲きというか。
松下クビになって新潟に行って、(新潟アルビレックスA2時代の)トップチーム上がりたいっていう2年間で、本当に覚悟が決まったというか。


−プロチーム経験としては、熊本が7クラブ目になる。多くのチームを経験した上で、強いチームとそうでないチームの差は何だと思う?

もちろん選手もあるんすけど、やっぱり環境がしっかりしてるんですよ、強いチームは。
三位一体とか言ったりするじゃないですか、フロント・選手・ブースター。
それがしっかりしてる。

これまでのキャリアって本当極端なんですよね。
新潟はフロントもしっかりしてて、ブースターもすごくしっかりしてて。
当時は「負けたらあかん!」ってチームだったんで、常に緊張感があって。

その後の埼玉はそんなに強いチームじゃなかったんで。
負けても、「次いこう」「じゃあ次」みたいな。
でも、強いところには、次はないんすよね。
そこなんですよ、その1試合なんすよ。

埼玉の後の滋賀(レイクスターズ)もそうやったんすよ。
歴史的には浅いチームやったけど、bj(リーグ)の中では強豪やったんで。
そこもやっぱりプレーオフのラインと、プレーオフホーム開催を勝ち取るためのラインがあって。
そこに向けて1戦も落とせないんすよ。

滋賀の後、熊本に来るまではしばらくそういう気持ちを味わってなかった。
なので、去年はすごい久しぶりの感覚やったんすよ。
本当に緊張感があって、1試合も落とされへんっていう気持ちで。
順位的に下位のチームに負けるようなもんなら、ロッカールームはズーンってなってるし。





−昨季のヴォルターズはどうだった?

まあ・・・いろんな記事とか、みんなが言ってるのを見たり聞いたりすると、「プレーオフとかビッグゲームの経験がない選手が熊本には多い」みたいなことがあったりしたんですけど・・・僕はそんなの関係ないと思うんすよね。
逆に(プレーオフは)短期決戦やから、そんなの考えた方が負けやと思うんすよ。
逆に経験がないんやったら、勢いで押し切れるやろって。
しかも僕らは、去年B2ではダントツの戦力やったんで。
そういう自負はあった、チームを見てて。
それがなんでああいう風になっちゃったのか・・・未だに僕も分からないっすね。


−あのプレーオフの敗因に対する解は出ていない?

僕は・・・ちょっと分かんないっすね。
うん・・・メンタル・・・メンタルで片付けるのもなんか嫌やし。
とにかく絶対勝たなダメな試合やったんすよね。
まあ・・・うーん・・・(群馬との)2戦目勝ったじゃないすか。
快勝やったやないすか。
強いて言うなら、あの2戦目がダメやったと思いますね、僕は。


−その理由は?

緩んだっすね、絶対緩んだと思います。
あれがクロスゲームだとか、逆転して勝つだとか、雰囲気良く勝ってたら、3戦目も押し切ったと思います。
それが、あまりにも点差がついたじゃないですか。
見てる人にとってはあんな快勝は気持ちいいと思うんすけど、僕は見ててちょっと怖かったっすね。
これ、このままの雰囲気でいったらアカンなって。
そしたらまあ、案の定・・・ね。


−1戦目と2戦目のロッカールームやベンチの雰囲気はどうだった?

1戦目終わって・・・1戦目負けたのは、もうしゃあないんすよ、負けは負けで仕方ないんすけど。
で、「明日は絶対勝たな、3戦目ないぞ」っていうその気持ちまでは、「これはいける」って僕は思ったけど。
2戦目勝って、で、見てる人らも緩んだと思うんすよ。
「こんだけ圧勝したから、明日も絶対勝てるやん」って。
誰一人、なめてたわけではないと思うんすよ、前日負けてるわけやから。
でも・・・少しは出たんやないすかね、3戦目に。


−レギュラーシーズンでも、外から見ていてもったいないと感じる敗戦があった。

僕が(昨季)熊本に合流して何日か練習して、外国籍選手が合流して。
で、アーリーカップ前くらいに、これはもう、本当に冗談抜きで、1戦1戦全力で戦ったら60勝できるって気持ちはあったっすね。
全勝できるって気持ちはあったけど。
それが15敗。
その15敗のうち、半分以上が順位的には下位のチームじゃないですか。
それはだと思うんすよ。
決してなめてるわけやないとは思うんすけど。

みんなが一緒になって口にしてるのは「ディフェンス」じゃないですか。
(石川)海斗も言うてたし。
いろんな記事を見ても、(昨季の熊本は)オフェンスはすごいけど、ディフェンスに穴があるって。
まあその通りやと思うんすよ。

80点は取れるチームやったんで、それがあと5点でも10点でもディフェンスがしっかりできてれば、絶対に負けなかったじゃないですか。
ディフェンスができない選手が集まってたわけでもない。
80点、85点、90点取れるチームやから、心のどこかに「取られたら取り返したらええやん」って気持ちがあったんじゃないですかね。
(昨季の熊本のオフェンスは)そこまで爆発力があったし。
でも、それはプレーオフじゃ通用しないっすよね、どのカテゴリーでも。
NBAでも、レギュラーシーズンとプレーオフはバスケットが変わるって言うぐらいやから。
レギュラーシーズンそのままでいっちゃったから(負けたん)じゃないですかね。





−ベテランと言われる年齢。自分がこなしたい役割、こなさなきゃいけない役割等、考えているかと思う。

あんまり好きじゃないんですよね、ベテランって言われるの(笑)
去年の後半の自分の起用法とも被るんですけど、コーチに求められたことをしたいっすね。
去年だったら、中西が怪我で出られへん時は4番ポジションでやる。
(福田)真生を休ませる時は3番ポジションでやる。
そういうマルチな、その時によってHCの考えもあるやろうけど、シンプルに言えば、「リバウンド取ってこい」って言われたら取ってくるし、「ペース上げてこい」って言われたら上げてくるっていう。
ただコートに立つのは嫌なんすよ、若手の時はそういうこともあったけど。
本当に自分に求められた仕事をしたいっていう。
そういうシンプルな気持ちで臨みたいっすね。


−そう考えるようになったのはいつから?

難しい質問やなあ・・・(笑)
昔と少しメンタルが違うのは・・・今は勝ちたいんすよね、めっちゃ。
優勝したいんすよ。
そのために熊本に来たんで。
それまでも、もちろん勝ちたい、優勝したいって気持ちはあったけど、若手の時はチームファーストじゃなかったっすよね。
個人、我が我がだったのが、少しずつ、そんなんじゃない、勝ちたいって気持ちが大きくなっていって。
勝つためには、の答えが、ただコートに立つんじゃなくって、本当に少しでもチームの力になるためにっていうか、それが勝つ近道なんじゃないかって。


−今年は「進化するベテラン」というキャッチフレーズは変えなきゃいけないね。

ベテランって言葉がそんなに好きじゃないんすよね(笑)
そんなベテランっぽいこともしてないし、ベテランとも思ってないし。
でも周りから見たら、めちゃめちゃ年上やけど(笑)


−練習風景を見てると、体力的にはまだまだ若手に負けてない。

正直、これが普通だと思うんすよ。
誰がすごいとか、誰が速いとか、そんなんじゃなくって。
これは普通のことやから。
その先じゃないですか、勝つためには。
走る練習、しんどい練習は根底で、普通にやっとかないといかんことやから。
しんどいのはしんどいけど(笑)
でも、その基礎がなかったら、その先のことは何もできひんし。


−最後にブースターの皆さんに伝えたいことがあれば。

正直、昨シーズン終わった時の感想は、「こんだけやってもB1に行けんかった」っていう気持ちやった。
アーリーカップ優勝しても、45勝して地区優勝しても、(B1に)行けんかった。
そう考えると、簡単に「B1に昇格します」とは言えないっすよね。
なので、結論を言うと、1試合1試合やってくしかないっすよね。
一番やっちゃダメなのは星勘定だと思うんすよ、今季は。
本当に1戦1戦必死にやってくしかない。
結果はその先っすね。

僕自身としては、自分のプレーは去年皆さんには見せれてないと思うんで、もちろんこれからの僕の頑張り次第やけど、サプライズ的なところは見て欲しいと思いますね。
「寺下ってこんなんできんのや!」ってところを見せたいっすね。


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次回は柿内輝心選手の開幕直前号をお届けします!
※申し訳ありませんが、不定期です。